寄与分とは、生前、亡くなった方の世話をしていた相続人や亡くなった方の財産の増加・維持に貢献をした相続人に対して、その労力を考慮して遺産分割を行うことで、他の相続人との間で公平性を保つことができる制度です。寄与分は、遺産分割協議のなかで主張します。
ある相続人が寄与分を主張し、それが認められると相続財産の分割割合が変わるため、その他の相続人が得られる財産が減少し、不利益を被る可能性があります。そのため、寄与分を主張しようと考えている場合は、ご自身が寄与分を主張できる十分な根拠があるかどうかを慎重に検討し、他の相続人とのトラブルを回避しましょう。また、遺産分割協議で主張した寄与分が認められない場合は裁判所に遺産分割調停を申し立てることもできます。
なお、一般的に相続においては法定相続分が優先されるので寄与分が認められるケースはあまり多くありません。では、実際にどのような事例で寄与分が認められるのかを確認していきましょう。
寄与分が認められる事例
下記のような亡くなった方の財産の増加・維持に尽力した人が寄与分を主張することができます。
(例)
- 亡くなった方に医療費・生活費を渡し、財産の増加・維持に貢献した
- 亡くなった方の介護や世話に努め、財産の増加・維持に貢献した
- 亡くなった方が経営する事業を手伝い、財産の増加・維持に貢献した
寄与分は実際の貢献した量に応じて、どの程度請求できるか、その判断は難しいため、専門家にご相談されることをおすすめします。
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その他の相続人の権利
相続人には寄与分の他にも認められている権利がいくつかあります。
