相続手続きを始めるにあたって最初にやるべきことは亡くなった方の遺言書を探すことです。遺言書の保管場所は、亡くなった方が作成した遺言書の種類によって異なります。この記事では、一般的な遺言書である「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の保管場所を簡単にご説明いたします。
保管場所① 自宅
自分で保管しなければならない自筆証書遺言はもちろんのこと、公証役場で作成する公正証書遺言の正本および謄本は法律による保管場所の指定がないので自宅で発見されることが一般的です。身近な方が亡くなったら、まずは貸金庫や仏壇、亡くなった方の書斎のなかなど、遺言書が保管されていそうな場所を探してみましょう。このとき、封がされた遺言書を発見したらその場で開封してはいけません。発見した遺言書が自筆証書遺言である場合は、家庭裁判所において開封のための検認手続きが必要になります。
保管場所② 公証役場
亡くなった方が作成した遺言書が公正証書遺言であった場合、公正証書の原本は必ず公証役場で厳重に保管されます。相続人であれば、全国の公証役場において、そもそも遺言書が保管されているかどうかと、遺言書が保管されている公証役場について検索することができますので、ご自宅で遺言書を発見できなかった場合には、お近くの公証役場で調べてみましょう。ただし、検索の申出には所定の書類が必要ですので、事前に調べて準備するのがよいでしょう。
保管場所③ 法務局（遺言書保管所）
従来、自筆証書遺言の管理の方法としては自宅保管のみでしたが、2020年7月10日から「自筆証書遺言書保管制度」が始まりました。この制度は自筆証書遺言を法務局の遺言書保管所で画像データとして保管する制度です。相続人であれば、全国の遺言書保管所で遺言書が保管されているかどうかを検索することができます。法務局で保管されている遺言書は、遺言者の死亡後に家庭裁判所での検認手続きを経る必要がないので、そのまま相続手続きに利用することができます。亡くなった方が遺言書を作成している場合はその遺言書に従って相続手続きを行えば良いので、すべての相続人で遺産分割の方法を話し合う遺産分割協議を行う必要がなく、スムーズに相続手続きを進めることが可能です。そのため、身近な方が亡くなったら、まず初めに遺言書の有無をしっかりと確認するようにしましょう。
新神戸相続遺言相談プラザでは、遺言書の作成から遺言書を用いた相続手続きまで、新神戸とその周辺の皆様の生前対策・相続手続きをお手伝いさせていただいております。ご自身の遺言書作成をお考えの方や身近な方の遺言書が見つかった方は、お気軽に新神戸相続遺言相談プラザの専門家にご相談ください。
