亡くなった方の財産調査を行った結果、相続税の基礎控除額以上の財産があると判明した場合、それらを取得する相続人や受遺者は相続税の申告・納付をしなければなりません。相続税の申告・納付の期限はどちらも自己のために相続のあったことを知った日の翌日から10か月以内と定められており、この期限を超過してしまうとペナルティとして相続税以外の税金が課されることになります。
相続税申告におけるペナルティの種類
相続税申告に関するペナルティは期限を超過した場合にのみ課されるわけではありません。相続税以外の余分な税金を払わないためにも相続税の申告・納付は確実に行うことが重要です。
過少申告加算税
過少申告加算税は、実際に納税すべき相続税額よりも少なく申告した場合に課せられるペナルティです。この税金は税務署の指摘によって課されるものであり、税務調査の後に修正申告を行った場合は、本来納付すべき税金との差額に加えて、その10%に相当する額が加算されます。ただし、追加納税額が当初の申告納税額を超えている場合は、超えた金額分は税率が15%になり、追加納税額が当初の申告納税額を超えていなくても、50万円を超えている場合は、超えた金額分は税率が15%になります。なお、税務調査の前に自主的に修正申告を行った場合は、この過少申告加算税は課税されません。
無申告加算税
無申告加算税は、相続税申告を行わなかった場合に課せられるペナルティです。この税金は税務署が行う税務調査の指摘を受ける前か後かで課税率が異なります。指摘を受ける前に自主的に申告する場合は本来納める相続税に5%を乗じます。一方で、税務署の指摘を受けてから申告した場合は相続税額に対し50万円までは15%、50万円を上回る部分がある場合は20%を乗じて納税しなければなりません。
重加算税
数ある加算税のなかで最も厳しいとされる重加算税は、意図的に無申告や過少申告を行い、悪質であるとみなされた場合に課せられる税金です。他のペナルティよりも税率が高く、相続税額に対して悪質な無申告は40%、悪質な過少申告は35%を乗じて重加算税を算出します。例えば、本来700万円を納めるべき税額であり、当初申告した税金が200万円と過少申告した場合について考えます。重加算税は500万円(差額)×35%で175万円となります。つまり、新たに納めなければならない税額は500万円+175万円+延滞税となるわけです。
このように、相続税申告は期限の厳守や正確性が求められます。本来払うべき税金に加え、加算税を支払うことにならないように、相続税申告を得意とする専門家へ相談したほうが安心だといえるでしょう。
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